Sentryでエラー監視を始めよう!① 導入編

こんな体験ありませんか...?

  • アプリリリース間近のテスター確認。エラーが出た画面のスクショだけ共有される
  • リリース後。ユーザーがエラーに遭遇しているみたいだが、発生条件が分からない
  • アプリ全体のパフォーマンスを改善したい
  • 遭遇したエラーの詳細を保存して、管理・解決したい

これ、Sentryで解決できるかもしれません!

Sentryとは?

Sentryとはエラーの可視化、監視ツールです。ダッシュボード上でエラー発生時のスタックトレースや、リクエストデータなどを確認することができます。

サーバー側のエラー検知はやっていても、フロント側ではやってないという人も多いのではないでしょうか?

Sentry を使えば、たとえば以下のようなことが分かります

  • どのユーザーがどのようなエラーに直面したか?
  • エラーの発生する条件は?(Session Replay)
  • アプリのパフォーマンスはどうか?下げている機能は?(Browser Tracing)
  • コード上のどの部分で発生したエラーか?(ソースマップ設定)
  • どの環境で発生したエラーか?対応が必要なエラーか?(Tag設定)

とどのつまり、入れておいて損はないツールです!

実際に導入してみよう!

この記事は前半の導入編です。運用例は後半の記事に続きます
とりあえず、Sentryに初めてのエラーを送信するところまでやってみましょう

今回はフレームワークとしてVue3、ビルドツールとしてViteを使った環境で導入してみます
公式ドキュメントに他のフレームワークでの導入方法について詳しいので、そちらも確認してみてください

STEP 1 アカウントを用意しよう

Sentryのサインアップページにアクセスします

上記サイトにアクセスしたら、以下のような流れになります

  1. 必要項目を埋めてアカウントを作成
  2. メール認証
  3. アプリケーションの言語を選択&プロジェクト作成
  4. 環境別 SentrySDK のインストール方法が表示されるので、これに従ってアプリに導入

自身のアプリケーションに合った登録をしてください
OrganizationOrganization Slug というユニークな識別子に使われるので、プロジェクト名を入れたダブりにくいものにすること推奨

下記のサイトが参考になります!

STEP 2 アプリケーションへのSentry導入

アプリケーションのエラー検知をSentryへ送信する設定をします
Sentryの読み込みと、dsnコードを設置します

dsnコードはSentryの管理画面から作成・確認することができます
https://YOUR_ORGANIZATION.sentry.io/

Settings > Projects > (該当プロジェクトを選択) > SDK SETUP > Client Keys
https://YOUR_ORGANIZATION.sentry.io/settings/projects/YOUR_PROJECT/keys/

dsnコードをコピーしたら、実際にエラーをSentryへ送信してみましょう!
以下は Vue3 + TypeScript + Vite のアプリケーションという想定のコードです
他の環境の場合は公式ドキュメントを参考に設定してみてください!

① SDK インストール

bash
yarn add @sentry/vue

② 設定ファイルの作成

src/plugins/SentrySetup.ts
import * as Sentry from '@sentry/vue';
import { App } from 'vue';
import { Router } from 'vue-router';
 
export const sentrySetup = (app: App, router: Router) => {
  // dsnコードと環境名を読み込み。環境変数として定義するのが望ましい
  const SENTRY_DSN = import.meta.env.VITE_SENTRY_DSN as string;
  const APP_ENVIRONMENT = import.meta.env.VITE_APP_ENVIRONMENT as string;
  const APP_URL = import.meta.env.VITE_APP_URL as string;
 
  Sentry.init({
    app,
    dsn: SENTRY_DSN,
    environment: APP_ENVIRONMENT,
    integrations: [
      Sentry.browserTracingIntegration({
          router, 
          enableInp: true // ※ 1 
      }),
    ],
    // localhostとアプリのドメイン,
    // APIサーバーのエンドポイント: APIリクエストに sentry-trace ヘッダーが付与される. 通信も含めて追跡したい場合は指定する
    tracePropagationTargets: ['localhost', APP_URL],
    beforeSend(event, hint) {
      if (event.exception) {
        // エラーをキャッチした時に追加でしたい処理があれば設定
        console.error(`[Exeption handled by Sentry]: (${hint.originalException})`, { event, hint });
      }
      return event;
    },
  });
};

※1
2024年3月13日より、INP (Interaction to Next Paint) がFID (First Input Delay) に代わってパフォーマンススコアの計算に使用されます。
Sentry SDK を最新バージョン (7.104.0+) にアップデートし、INPオプションを有効にして、更新されたパフォーマンススコアの受信を開始する必要があります。 SDKバージョン8以上の場合はデフォルトで有効になっているため指定は不要です

③ セットアップ処理

main.ts
import { createApp } from 'vue';
import App from './App.vue';
import router from './router';
import { sentrySetup } from '@/plugins/SentrySetup';
...
 
const app = createApp(App);
 
app.use(router);
sentrySetup(app, router); // Sentryのセットアップ
app.mount('#app');

準備ができたら、適当なコンポーネントで throw new Error('TEST ERROR FOR SENTRY!') してみましょう
https://YOUR_ORGANIZATION.sentry.io/issues/

管理画面でエラーが確認できたら設定終了です!
(後編につづく...)

STEP ++ アクセスできるドメインを制限しよう

デフォルト設定だと、DSNが外部に流出した場合、悪用されてしまう可能性があります
設定で正しいアクセス以外は弾いてしまいましょう

Project Settings > General Settings > CLIENT SECURITY > Allowed Domains

以下のように複数ドメインがある場合は改行で入力できます

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